筑前御殿神楽

筑前御殿神楽は、およそ580年の昔から、この『筑前の国』に伝わる御神楽で、普通は氏子の人が伝承していく例が多いのですが、この御神楽は代々神職によって守り伝えているめずらしい御神楽です。
また、御社殿の中でのみ舞うため、御殿神楽と称し、御神様の方を向いて舞うという特徴があり、清楚に上品に舞います。また、この御神楽は宮中での大嘗祭にも奉納されています。
全体の構成は、里神楽と面神楽(神話、かみ神楽)にわけられています。御神様と共にその妙技と神の世界にお浸り下さい。

『里神楽』
榊の舞(さかきのまい)
お祓いの榊を持って舞い、祓い清めの御神楽で、すべての物をはじめ私達の心身に至るまでを祓い清め、良き神の到来を願う、はじまりの御神楽です。

弓の舞(ゆみのまい)
弓、矢は狩猟生活にとっても、武器にとっても貴重な道具であり、これはむしろ神具としての命を持って舞われる。ゆっくりと優美に、そして勇壮に雄大に舞います。

太刀の舞(たちのまい)
この舞も、弓の舞と同じく二振りの剣を持ち、早く勇壮に舞います。

久米の舞(くめのまい)
久米(くめ)とはお米に通じ、御神様のお恵みによって頂いたお米への感謝、五穀豊穣への感謝の舞です。御神殿にお供えしたお米を八つ握りずつ折敷(おしき)に納め、巧みに舞います。

『面神楽』
鹿島(かしま)・大汝(おおなむじ)の舞
天孫降臨(てんそんこうりん)の御神楽で、ニニギノミコト様御一行がアマテラス大神の命を受け、天上界より高千穂の峰に降り立つに先んじて、武神の神カシマの神がまず先兵として降り、地上を治めていたオオクニヌシノ神(オオナムジの神)と国譲りの争いをなし、オオクニヌシの神は天上よりの神に、この地をお譲りすることとなる。カシマの神はすぐさまその旨を天上に申し伝え行く舞です。

前駆(ぜんく)・天の鈿命(あめのうずめのみこと)・猿田彦(さるたひこ)の舞
カシマの神の報によって、すぐに天孫御一行様は御降臨されるが、そのつゆはらいに女神アメノウズメの命が下って行く。地上では前駆の神が聞き知ってこれは大変だと地上の不浄の物を祓いのけているとアメノウズメの命が下ってくる。すると天と地の途中に立ちはだかるサルタヒコの神がいた。天孫の御降臨を知ったサルタヒコの神は、かしこまって、御一行様の道案内役として御先導申し上げるのである。

手力雄命(たじからおのみこと)の舞
アマテラス大神の弟神スサノヲの命は両親、イザナギ・イザナミの神の命に従わず、悪行を重ねるので、アマテラス大神は岩戸に御隠れになって、一時も早く外に出て頂くために、岩戸の前でにぎやかな宴を催し、アマテラス大神ののぞき見るのを待ち、戸惑いを感じ開けんとする力持ちのタジカラオの命。手に持っている神具はたいまつを意味し、一時も早く岩戸を開けんとする神楽です。

事代主(ことしろぬし)の舞
おえべっさんの舞で、大黒さん(オオクニヌシの命)の子ども神です。この神楽では鯛釣り面ともいう海の幸の恵みを与え給う御神様。釣竿をもち、御神殿のお供え物等を参拝者にわかち与え、この神楽の圧巻となります。